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間違い報告多数!有給休暇の条件としくみ

労務
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お仕事を休んでも賃金を保証してもらえる有給休暇。

ご自身の有休の付与日や付与日数、きちんと把握してますか?

「有休の管理は会社に任せておけば、会社が間違えるはずはない」なんて思っていたら危険かもしれません。

今回はそんな有休の条件とそのしくみについてお伝えしていきます。

▼動画でもご紹介しています【労務のいろはチャンネル】

間違いの原因

今回、有給休暇をテーマとしてるんですが、有休については過去にもご紹介しました。

その中で「有休の付与日数を間違えられた」とか、「正しく付与されているのか不安」といったコメントをいただいて、特に付与日数を間違えられているケースが多いようなんです。

で、実際企業ではどのように従業員の有休管理をしているのか。

「会社なんだから専用のシステムを使って機械的に自動で管理してるんじゃないの?」と思われている方。

残念ながら実際には有休を間違いなく管理できるシステムというのはほぼ存在しません

というのも、有休の付与の条件などはこのあと詳しく説明しますが、けっこう複雑なんですね。

その複雑な有休の付与条件やしくみを完璧に反映して、自動で処理できるシステムというのはないんです。

もちろんシステム開発会社が提供している有休管理システムや、自社システムで管理をしている会社もありますが、エクセルなどを使用した、まぁ完全なアナログではないんですけど、人の目で見て人の手で処理するといった、割と地道に管理している会社が多かったりします。

専用の有休管理システムでは複雑な処理ができないし、かと言って人の目で見て、人の手で処理をしたところで、まぁ所詮人のやることですから間違いも起こるわけですよね。

と、長々と労務担当者としての言い訳をお話してしまいましたが、とにかく有休の管理を会社任せにしておくのは危険です。

有休の付与のしくみを知って、ご自身で管理しないと、あるはずの有休がないことになってるかもしれません。

そこで今回は有休の条件としくみを実例を見ながら詳しくお伝えしていきます。

有給休暇の基礎

有給休暇とは、一定期間勤続した労働者に対して、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される休暇のことです。

「有休」を取得することで、お仕事を休んでも賃金の支払いを受けることができるんですね。

全ての労働者に与えられる権利なので、週1日勤務のパートや学生アルバイトでも、一定の条件を満たせば有給休暇が付与されることになります。

その条件というのがこちら。

  1. 雇い入れの日から6ヶ月経過していること
  2. その期間の全労働日の8割以上出勤したこと

まず1つ目の条件。

有給休暇の最初の付与は入社半年後となります。

4/1入社の場合なら10/1に付与されますし、入社が月途中などの場合、例えば4/10に入社した場合は10/10に付与されることになります。

有休の付与日は原則変わりませんので、4/1入社の場合は毎年10/1に有休が付与されることになります。

一斉付与、という少し特殊な付与の仕方をしている企業もありますが、一斉付与に関してはこのあとの特殊なケースとしてご紹介していきます。

基本はこんな感じです。

それから2つ目の条件。

全労働日の8割以上出勤についてですが、有休付与日以前の出勤率が8割以上あるかどうかで判断されます。

例えば4/1入社の場合、最初の有休付与日は10/1となるので、入社日の4/1から有休付与日の前日である9/30までの間の出勤率が8割以上あれば、10/1に有休が付与されることになります。

その後は毎年、前年の10/1から9/30までの出勤率が8割以上あれば、10/1に有休が付与されることになります。

全労働日に対しての8割以上というのは、ようするに所定労働日数の8割以上となりますので、週3日勤務の方でしたら年間の所定労働日数は約156日となるので、125日(156日の8割)以上出勤していれば、有休が付与されることになります。

有休の付与日数は正社員などのフルタイムの場合は、最初の付与日数は10日となりますが、フルタイム以外の場合は、比例付与と言って所定労働日数や所定労働時間によって変わります。

こちらは厚生労働省が発行しているリーフレットの一部になりますが、比例付与の対象になるのは、労働日数、労働時間が週4日以下かつ週30時間未満の場合になりますので、週4日以下だけど週30時間以上勤務している場合や、週30時間未満だけど週5日勤務しているといった場合は、正社員などのフルタイムと同様の有休が付与されることになります。

また有休の付与日数は年々増えていきますので、勤続年数が長くなればなるほど、付与日数も増えていく、というしくみになっています。

1年間の所定労働日数ですが「週以外の期間によって労働日数が定められている場合」というのは、例えば月〇日勤務といったように、労働日数が月単位での雇用契約になっている場合の年間の所定労働日数となっていますので、週単位での契約になっている方はこちらの週所定労働日数を見るようにしてください。

契約上の所定労働日数と実際の労働日数が違う場合はどうなるのか、という質問をよくいただくんですが、有休の付与は原則、所定労働日数で判断されますので、契約上の所定労働日数より実際の労働日数の方が多いといった場合、例えば所定労働日数は週3日なのに、実労働日数は週4日といった場合は、損をしてしまうことになります。

有休の付与は付与日時点での所定労働日数で判断されますので、有休の付与前に所定労働日数と実労働日数が同じになるよう、雇用契約の見直しを勤務先に申し出るようにしてください。

ここまでで有給休暇の基本を抑えていただいて、次に有休付与の特殊なケースと実例について見ていきましょう。

特殊なケースと実例

有休の基礎で有休の付与条件や付与日数についてお伝えしましたが、特殊なケースがありますのでいくつか実例を上げてお話していきます。

そもそも先程お伝えした有休の付与条件や付与日数というのは、法律で定められた最低限の条件なんですね。

なので、この条件より労働者にとっていい条件であれば違法とはなりません

例えば最初の有休付与日を入社日から半年後ではなく、入社日当日としても構いませんし、正社員で入社した場合の最初の有休付与日数を10日ではなく20日としても問題ないんですね。

なので、ご自身の有休管理をするためには、まず勤務先の有休に関する規程を把握する必要があります。

有休に関する規程は就業規則に明記しなくてはならないとされていますので、まずは勤務先の就業規則で有休の付与条件、付与日数を確認するようにしてください。

また有休付与の特殊なケースとして一斉付与という付与の仕方があります。

これは法律で定められた入社日から半年後を有給付与日とする、という考え方ではなく、有給付与日を全労働者統一するという付与の仕方になります。

統一した有休付与日を基準日といいますが、例えばこの基準日を4/1とした場合、全労働者に対して4/1に有休を付与することになりますので、4/1入社であれば入社日当日に1回目の有休が付与されることになります。

4/1入社の例

じゃあ4/2入社の場合はどうなるのかというと、まずは法律で定められた入社日から半年後、10/2を1回目の有休付与日とし、次の基準日(翌年の4/1)に2回目の有休を付与するとしている会社が多いですね。

4/2入社の例

ただこれもあくまで一例です。

一斉付与を導入している会社は、1回目の有休付与日や出勤率をもとめる際の算定期間について、会社独自の規程をもうけている場合があります。

必ず就業規則を見て確認するようにしてください。

それから出勤率をもとめる際ですが、有休取得日や産休、育休取得日については出勤扱いとなります。

例えば産休、育休を取得した場合、まるっと1年ほど休業することになりますが、有休の出勤率をもとめる上では「出勤」の扱いになりますので、有休は付与されます。

その他にも労働災害による休業、介護休業を取得した日も出勤扱いになりますし、遅刻・早退した日も出勤したことに変わりはありませんので「出勤」の扱いになります。

逆に「欠勤」の扱いとなるのは欠勤、休職、通勤災害によりお休みした日になります。

また全労働日についてですが、会社都合による休業日については含まれません

気を付けなければならないのが休職の場合です。

出勤をしていないわけですから当然「欠勤」の扱いにはなるんですが、そもそも休職とは労働の義務を免除することなので、全労働日に含むべきではないという考え方もあるんですね。

ただ法律上「休職期間は全労働日に含めない」とはっきりと定められているわけではないので、休職期間を全労働日に含めるか含めないかについては会社の判断によります。

こちらについても就業規則で確認するようにしてください。

まとめ

今回は有給休暇の付与条件としくみについてお伝えしました。

まずはご自身の有休付与日と付与日数を把握すること。

そのためには勤務先の有給休暇についての規程の確認が必要です。

労働者自らが正しい知識を持って、不利な運用をされないようにしてくださいね。

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