社会保険上の「扶養」で家族を扶養にするメリットをご存知でしょうか。
扶養される人(被扶養者)の健康保険料がかからない、もしくは安くなる、といったメリットがあります。
しかし高齢の家族を扶養する場合、実は逆に損してしまうこともあるんです。
今回はそんな社会保険の扶養の注意点についてお伝えしていきます。
扶養のおさらい
社会保険上の扶養は健康保険の扶養のことで、家族ですでにお勤め先で社会保険に加入している人に扶養されることで、扶養される人の健康保険料が安くなったり、全くがかからずに、健康保険に加入することができます。
扶養できる家族の範囲は結構広くて、一部の親族に関しては同居していることが条件とはなりますが、3親等内親族まで可能です。
親を扶養にする場合は、同居・別居どちらも可能ですが、別居している場合は一定額以上の仕送りをしていることが条件となっています。
余談になりますが、社会保険の手続きにはマイナンバーを使用していて、被保険者や被扶養者の住所は住民票を参照して自動的に反映されるようになっていますので、保険者の方で同居や別居の事実がわかるようになってます。
代表的な保険者である協会けんぽでは毎年、被扶養者の状況確認をしていて、年末あたりに会社に被扶養者リストが送られてきます。
別居の場合、被扶養者現況申立書と併せて、仕送りの事実確認ができる書類の提出を求められるんですね。
ようはその会社の従業員が扶養している親族が、ほんとに扶養対象なのかを確認するために行っているんですが、もちろん調べた結果、扶養対象外となった場合、扶養から外されることになるわけです。
扶養対象者の確認は年々、厳しくなっているので、扶養要件についてはしっかり確認して、会社や保険者にご家族の状況、同居や別居、収入などをきちんと伝えるようにしてくださいね。
医療費の自己負担限度額
医療費には自己負担限度額というものがあって、1ヶ月にかかる医療費の自己負担額には上限があるんですね。
医療機関にかかった時って、受付で健康保険証を提示しますよね。
健康保険証を提示することで、医療費の自己負担が3割になり、残りの7割は医療機関から保険者に請求されることになります。
例えば医療費が10,000円だった場合、本人が支払う自己負担額は3割の3,000円となり、残りの7割の7,000円は保険者が支払うということです。
※被保険者の年齢や、保険者によって割合が違う場合もあり
本人が支払う自己負担額の上限は、保険に加入している人の収入(所得)により変動し、収入が多いほど、自己負担限度額も高くなるしくみになってます。
この自己負担限度額、扶養されてる人の限度額は、扶養している人と同額となるんですね。
なので例えばお給料が月額25万円の方の場合、医療費の自己負担限度額は57,600円となるわけですが、扶養されてる人の自己負担限度額も同額となるんです。
収入の少ない高齢の家族、特に70歳以上の家族を扶養にした場合、確かに健康保険料の負担は少なくなりますが、高齢の方ってどうしても医療費が高くなりがちですよね。
そうすると医療費の自己負担額が高くなってしまい、結果的に損をしてしまう、なんてことになる可能性があります。
また介護保険料。
65歳以上の方は基本、受給する年金から引かれる形で介護保険料を納めているんですが、この介護保険料についても、世帯収入(所得)により決定されますので、同居している場合は注意が必要です。
損をしないための対処法
結論を言うと、家族を社会保険の扶養から外して、家族の方には国民健康保険に加入してもらう、という方法です。
もちろん、社会保険の扶養から外れて国民健康保険に加入するわけですから、国民健康保険料の支払いは発生しますが、元々、社会保険の扶養に入れる範囲の収入の場合、国民健康保険料はそんなに高額にはなりません。
同居している場合は、世帯分離という方法があります。
これは、実際には同じ住所でもちろん同居をしているんだけど、住民票を別にしよう、という方法です。
ようするに同じ住所で住民票を2つ作るということですね。
また世帯分離をすることで、扶養されていた方の世帯収入(所得)が減るわけですから、介護保険料についても安くなります。
世帯分離の手続き方法は、役所に行けば教えてもらえますが、難しい手続きではありません。
また国民健康保険の保険料は市区町村によって違ってきますが、こちらに関しても役所の窓口で、国民健康保険に切り替えた場合の保険料を確認することができます。
高齢の家族を社会保険の扶養にしている、またはこれから扶養にしようか考えている、といった場合は、社会保険の扶養について、ぜひ確認するようにしてください。
まとめ
社会保険上の扶養は、扶養することで、扶養される人の保険料がお得になりますが、高齢の家族を扶養にする場合は、保険料と医療費の自己負担額とのバランスが重要になります。
毎月の医療費が結構かかってるな、と心当たりがある場合は、1度見直しをしてみてください。
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