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【リストラ】なぜ中高年が対象!?増加する黒字リストラ

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新型コロナウイルスが流行してから、企業の倒産や解雇と言う言葉をよく耳にします。

その中でも最近話題になっているのが黒字リストラ

今回はそんな黒字リストラについてお伝えしていきます。

▼動画でもご紹介しています【労務のいろはチャンネル】

リストラとは

リストラとは「restructuring(リストラクチャリング)」を略した言葉で、事業の再構築を意味する言葉なんですが、いわゆる整理解雇の一種です。

えっ解雇?と思われるかもしれませんが、解雇には普通解雇、懲戒解雇、整理解雇と3つの種類があるんですね。

それぞれの解雇をわかりやすく言うと、

  • 普通解雇…労働者の知識不足、能力不足を理由に解雇すること。
  • 懲戒解雇…労働者が社内外を問わず刑事事件に値するような事件や事故を起こした事を理由に解雇すること。
  • 整理解雇…企業の経営状況を理由に解雇すること。

そもそも日本の企業というのは終身雇用。

一度労働者を雇用したら定年まで雇用し続けることが原則とされていて、企業が労働者を解雇すること非常にハードルが高いんですね。

例えば労働者の知識不足、能力不足を理由に解雇するとなった場合、そもそもその労働者を雇用したのは企業側なわけですから、企業側には雇用した労働者を教育・指導する義務が発生するわけです。

知識不足、能力不足の労働者に対し、適切な教育・指導はしていたのか、そもそも能力に見合う業務をさせていたのか、適切な教育・指導をしたにもかかわらず業務遂行ができなかったとして、業務内容の変更や配置転換などの適切な対応はしたのか、こういった企業側の対応がなされていなかった場合、解雇無効となるケースは珍しくありません。

それだけ解雇と言うのは企業側にとってはハードルの高い、難しいことなんですね。

普通解雇や懲戒解雇は労働者側の問題を理由とした解雇。

一方でリストラ、整理解雇と言うのは「事業の再構築を目的とした解雇」となるので企業側の問題を理由とした解雇。

赤字経営でこのままでは会社が倒産してしまうかもしれないから辞めてくれないか、といわれたら労働者側もなかなか文句は言えないですよね。

仮に退職せずに居座り続けたとしても、赤字経営ならいつ倒産して職を失ってしまうとも限らないわけですから、給料を払ってもらえてるうちに、退職金の上乗せなど退職の条件がいいうちにやめた方が得策かもしれない、なんて考えますよね。

リストラ(整理解雇)と言うのは労働者側、企業側、双方がある程度納得した上での雇用関係の解消となるので、解雇の中でも比較的もめ事が起きにくい解雇と言えるんですね。

黒字リストラをする理由

リストラをする企業がここ数年増加していることは、皆さんもご存知かと思います。

ただそのうちの半数以上、約60%は黒字企業でいわゆる黒字リストラをしているんです。

黒字リストラは、赤字リストラのようにすでに傾いてしまった経営を立て直すために、人件費を削減することだけを目的としているのではなく、将来的な経済状況や企業の方向性を見据えて行われるんですね。

企業が黒字リストラを行う1つ目の理由は人事制度の見直し

先ほどお話ししたように、日本の企業は原則、終身雇用や年功序列といった人事制度を採用してきました。

ただその制度が時代に合わなくなってきてるんですね。

50年ほど前の定年退職の年齢は55歳でしたが、20年ほど前に60歳、10年ほど前に65歳に設定されて、今では70歳定年が企業の努力義務となっています。

定年が引き伸ばされれば、引き伸ばされた分だけ年功序列で人件費はかさんでいく一方です。

また終身雇用で現在50歳の従業員でも少なくとも、あと15年から20年雇用し続けなければならないわけです。

企業からすれば、年々上がっていく人件費を定年までの長期間負担しなくてはならないんですね。

そのため黒字で余力のあるうちに人員の入れ替えを行い、メンバーシップ雇用からジョブ型雇用への転換といった、より時代にあった雇用体制、人事制度への見直しが必要と考える企業が増えているわけです。

企業が黒字リストラを行う2つ目の理由はデジタル化への対応

黒字リストラは、単に人件費の削減を目的としているわけではなく、より良い人材や技術への投資を行うためでもあります。

近年、企業はデジタル化への対応が必要不可欠となっています。

少子高齢化により日本の労働人口が減少していることで、人手不足を補うため業務のデジタル化や、それこそ人工知能(AI)の導入をする企業も増えています。

人工知能なんてまだまだ先のことでしょ、と思われるかもしれませんが、私自身、以前勤めていた企業では導入の話が進んでいました。

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)というシステムで、簡単にいうとパソコンなどを使った定型作業を、パソコンの中のロボット(AI)が自動で処理をしてくれるというものです。

労務という業務上、従業員の個人情報を預かるわけですが、氏名、住所、電話番号、生年月日、といった情報を、まず自社システムに登録。

また同じ情報を今度は勤怠システムにも登録して、更に給与システムにも登録するといった、同様の作業を3回行っていました。

これを自社システムに登録した情報を基に、AIが勤怠システム、給与システムに自動で反映することを可能にしたのがRPAというシステムです。

今まで3回行っていた作業が1回で済むわけですから、作業量や作業時間は単純に1/3ですよね。

これを全ての業務に当てはめて考えると、今まで3人で行っていた業務をAIを導入することで1人でできてしまうわけです。

また人間は長時間働くとパフォーマンスが落ちてミスが発生したり、時間外労働をすれば割増賃金を支払わなくてはならなくなりませんよね。

その点、AIは疲れませんのでミスも発生しにくく、24時間365日働くことも可能で、余分に給料を支払う必要もありません。

コストパフォーマンスもいいんですね。

黒字リストラを行う企業は資金に余裕のある大企業や上場企業がほとんどで、より良い人材や技術への投資も目的としているんですね。

中高年が対象になる理由

よく「大手企業が45歳以上の従業員を対象に希望退職者を募集している」なんてニュースをやっていますが、黒字リストラの対象とされるのが40代後半から50代以降の世代。

特に今の50代以降というのは、高度経済成長期やバブル期に入社をした世代で、この時代、企業ではとにかく人手が足りない。

人手を確保するのに必死で、労働者にとっては売り手市場で今ほど知識や経験、スキルといったものも求められてはいなかったんですね。

また終身雇用や年功序列が当たり前の時代だったので、一度就職さえできてしまえば将来は安泰、長く勤めれば給料は勝手に上がっていくわけです。

ただご存知の通りその後バブルは崩壊して一気に就職氷河期に突入。

更には少子高齢化が進んで労働人口が減少。

近年、企業ではいかに優秀な人材を確保するかが最大の課題となっています。

こうした中、高度経済成長期やバブル期に入社をした今の50代以降の社員と言うのは、役職がついて管理職となった方はもちろん、役職がなくても年功序列により給料が上がって人件費がかかっています。

給料に見合った仕事をしてくれていれば何の問題もありませんが、今企業が労働者に求めるのはデジタル化やグローバル化に対応することができるスキルです。

もちろん全ての中高年があてはまるわけではありませんが、デジタル化やグローバル化に対応しきれず、新しい知識やスキルを身に付ける意欲も無くし「定年までやり過ごそう」という中高年も少なからずいます。

こういった年功序列で高給取りになりつつ、現代社会に対応できない、仕事に対する意欲もない中高年は、真っ先にリストラの対象になってしまうわけです。

黒字リストラはあくまで企業が希望退職者の募集をかけることであって、希望を出さなければリストラされることはないと思われるかもしれませんが、実際にはそうではありません

企業側が生産性が低いと判断した従業員をリストラ対象者としてリストアップして、退職金の上乗せなど好条件を提示した上で退職を促す、いわゆる退職勧奨が行われているのが実態です。

もちろん強制力はありませんが、拒否したところで企業側が「使えない」と判断したことに変わりはありません。

企業に残っても窓際社員として雑な扱いをされることは目に見えてます。

黒字リストラは今後も増えていくと予想されています。

今はリストラの対象外であっても、5年後、10年後には対象になっているかもしれません。

黒字リストラは中高年だけの問題ではないんですね。

最近では副業を始める方も増えています。

時代に合った知識、スキルを身につけるということは、黒字リストラの対象にならないためだけではなく、個人で稼ぐ力を身につけることにも繋がります。

万が一に備えて、今のうちに時代に合った新しい知識、スキルを身につける努力をしていきましょう。

まとめ

今回は黒字リストラについてお伝えしました。

特に近年は新型コロナウイルスの影響で、積極的に黒字リストラを行う企業側が増えています。

特に注意が必要なのが、40代後半から50代以降の世代です。

リストラの対象にならないためにも、日々スキルアップを意識するようにしましょう。

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